移動平均線とは?初心者にもわかる “トレンドの地図”
移動平均線(Moving Average:MA)は、チャート上に「過去の平均価格を線で結んだもの」を表示し、現在の価格が “高いのか低いのか” を一目で判断できる便利な指標です。
旅行で言えば地図、登山ならコンパスのように「今どこにいるのか」を教えてくれる存在。初心者こそ真っ先に覚えておきたい基礎ツールです。
1. 移動平均線の代表的な 3 種類
1-1. SMA(単純移動平均線)
過去 N 本の終値を単純平均したライン。滑らかで “大局” がつかみやすく、スイング〜日足トレードで重宝されます。
1-2. EMA(指数平滑移動平均線)
直近のデータほど加重を大きくして平均を取るため、SMA より早く反応します。
短期売買やスキャルピングでは「値動きに追随できる」点が魅力。
1-3. WMA(加重移動平均線)
最も新しい価格に線形で重み付け。SMA と EMA の中間的な特性を持ち、プログラム売買や EA でも使われます。
MEMO:国内 FX 業者 MT4/MT5 では
SMA / EMA / SMMA / LWMA
の 4 種類が標準装備。自分の手法に合わせて表示を切り替えましょう。
2. 期間設定の基本と “黄金比”
- 短期:5・10(デイトレのタイミング)
- 中期:20・25(1 か月の営業日)
- 長期:75・200(機関投資家も見る長期線)
20 EMA × 200 SMA のクロスは「死神クロス/黄金クロス」と呼ばれ、長期トレンド反転の合図として世界中のトレーダーが注目しています。
3. 移動平均線の 3 大活用法
3-1. トレンド方向を可視化する
線の角度と向きを見るだけで、上昇・下降・横ばいがすぐ分かる ── これが MA 最大の利点。
角度が急なら勢いが強く、緩やかなら勢いが弱まっているサインです。
3-2. クロスで売買シグナルを得る
- ゴールデンクロス…短期線が長期線を下から上へ抜く → 買いサイン
- デッドクロス…短期線が長期線を上から下へ抜く → 売りサイン
3-3. 動くサポート・レジスタンスとして使う
上昇トレンド中、価格が20 EMAにタッチ → 反発する場面は多く、「押し目買い/戻り売り」の判断材料になります。
4. 実戦チャート解説:ドル円 1 時間足
(★TradingView のスクショを挿入する位置)
上図のように、20 EMA と 200 SMA でトレンドの強弱を把握し、押し目は 20 EMA、反転はクロスで狙う── これが王道パターンです。
5. “だまし” を避ける 3 つのコツ
- 出来高やATRでボラティリティも確認
- 水平線・一目雲など他の補助指標と組み合わせる
- クロス出現 → 1 本待って終値確定してからエントリー
6. よくある質問(Q&A)
Q. SMA と EMA、どちらが優秀?
用途が違うだけで優劣はありません。長期の流れ把握→SMA、短期のタイミング取り→EMA が基本です。
Q. 期間設定は何がおすすめ?
市場参加者が意識する「20」「75」「200」は鉄板。まずはこの 3 本を表示し、自分の戦略に合わせて微調整しましょう。
Q. レンジ相場では使えない?
MA はトレンド系指標なのでボラの低いレンジでは機能低下。RSI やストキャスで相場環境を併用判定すると精度が上がります。
まとめ:まずは “線を見る習慣” をつけよう
移動平均線は FX の基本中の基本。しかし「表示して終わり」ではなく、角度・位置・クロスを毎日観察することで相場の地図が頭に入ります。
次は実際にチャートを開き、SMA20・EMA20・SMA200 を表示して今日のトレンドを確認してみましょう。
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参考リンク
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