はじめに:pips(ピップス)とは何か?
FXを始めたばかりの人にとって、「pips(ピップス)」という言葉はよく耳にするものの、具体的にどういう意味か、そしてどのように利益や損失に換算されるのかは分かりにくい部分です。 この記事では、初心者の方でも理解しやすいように、pipsの基本から計算方法、さらに実際の取引でどのように利益に結びつくのかを丁寧に解説していきます。
pipsの基本概念
pipsは「値動きの単位」
pips(ピップス)とは、通貨ペアの値動きを表す最小単位のことです。たとえばドル円(USD/JPY)の場合、小数点以下2桁目がpipsにあたります。
例:ドル円が 150.00 → 150.01
に動いた場合、1pips 上昇したことを意味します。
通貨ペアごとの違い
- ドル円(USD/JPY)など円絡みのペア:小数点以下2桁目が1pips
- ユーロドル(EUR/USD)など小数点以下4桁のペア:小数点以下4桁目が1pips
この違いを押さえておくことが、計算の第一歩になります。
pipsを利益に換算する方法
基本式
pipsを実際の利益(円やドル)に換算するには、以下の式を使います:
利益(損失)= pips数 × 取引数量(ロット数) × 1pipsの価値
例:ドル円の場合
・取引数量:1万通貨(0.1ロット)
・ドル円の相場:150円
・値動き:10pips(150.00 → 150.10)
この場合、1pipsあたりの価値は「約100円」になります。
したがって、
10pips × 100円 = 1,000円の利益
例:ユーロドルの場合
・取引数量:1万通貨(0.1ロット)
・ユーロドルの相場:1.1000
・値動き:10pips(1.1000 → 1.1010)
この場合、1pipsあたりの価値は「約1ドル(=150円程度)」になります。
したがって、
10pips × 150円 = 1,500円の利益
ロット数とpipsの関係
ロット数 | 取引数量(通貨) | ドル円での1pipsの価値 |
---|---|---|
1ロット | 100,000通貨 | 約1,000円 |
0.1ロット | 10,000通貨 | 約100円 |
0.01ロット | 1,000通貨 | 約10円 |
初心者は0.01~0.1ロットでの練習を推奨します。少額ならリスクを抑えながら実戦感覚を養えます。
実際の取引シナリオ例(体験談)
初心者トレーダーの成功体験
私がFXを始めて間もない頃、ドル円が150円付近を推移していました。
ある日、経済ニュースで円安の流れが続いていると知り、思い切って「買い」でエントリー。
エントリー価格は 150.00円、その後10分ほどで 150.10円 まで上昇しました。
このとき取引数量は「0.1ロット(1万通貨)」でした。
結果は「+10pips」の利益。計算すると、
10pips × 100円(1pipsの価値)= 1,000円の利益
金額は大きくありませんが、「相場の動きを読み取って利益が出た!」という成功体験が自信につながりました。
初心者トレーダーの失敗体験
一方で、失敗もありました。
同じくドル円で「上昇するだろう」と思ってエントリーしたところ、予想に反して急落。
エントリーは 150.20円、わずか30分で 150.05円 まで下がってしまいました。
このときの値幅は「-15pips」。
取引数量が同じく0.1ロット(1万通貨)だったため、
-15pips × 100円 = -1,500円の損失
利益が出るときよりも、損失のほうが金額的にインパクトが大きく感じられました。
この経験をきっかけに、「pipsの数値」だけでなく、ロット数や損切りラインの重要性を痛感しました。
初心者がつまずきやすいポイント
- 小数点の位置を勘違いする
- ロット数を把握せずに取引してしまう
- 利益換算を感覚で考えてしまう
FAQ:よくある質問
Q1:pipsとpoint(ポイント)は違うの?
はい。pipsは「値動きの基準単位」であり、ポイント(point)はさらに細かい単位を指すことがあります。例えば、0.1pipsをpointと表記する業者もあります。
Q2:pipsだけを見ていれば利益計算は不要?
pipsの数値だけで勝ち負けを判断するのは危険です。必ずロット数と通貨ペアの価値を考慮して、損益額を把握しましょう。
まとめ
・pipsは値動きの最小単位
・通貨ペアによって1pipsの桁数が違う
・利益は「pips × ロット数 × 1pipsの価値」で算出
・初心者は少額ロットで練習するのが安心
pipsを正しく理解し、計算方法を身につけることで、リスク管理や資金管理もスムーズになります。ぜひ実際のトレードに役立ててください。
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