ボラティリティが低い相場での稼ぎ方(レンジ・スキャルピング編)

FX基礎

本記事は教育目的の一般的な情報です。特定の金融商品の推奨ではありません。トレードは元本損失のリスクがあります。

目次

  1. 低ボラ相場でもチャンスはある
  2. 「低ボラ・レンジ」の判定方法
  3. 通貨ペアと時間帯の選び方
  4. 即使えるレンジ・スキャル手法4選
  5. 共通のエントリー/利確/損切ルール
  6. 資金管理とリスクコントロール
  7. 実行のコツ(板/スプレッド/ニュース)
  8. トレード前チェックリスト
  9. 検証と改善の進め方
  10. よくある質問
  11. 免責とポリシー配慮

1. 低ボラ相場でもチャンスはある

値幅が出にくい「低ボラ(ロー・ボラティリティ)」の時間帯は、トレンドフォローが不利になりがちです。ですが、往復の小幅回転を狙うレンジ・スキャルピングなら、むしろ戦いやすい場面が増えます。重要なのは、(1)低ボラの判定(2)レンジの端(エッジ)でのみ参加、そして(3)ルール化された撤退です。

2. 「低ボラ・レンジ」の判定方法

2-1. 指標ベースの簡易判定

  • ATR(14)の低下:直近20~30日のATR(14)平均を100%とし、現在のATRが70%以下 → 低ボラの兆候。
  • ボリンジャーバンド幅:20期間・2σの帯域幅が縮小し、価格が±1σ内に収まり続ける。
  • RSIが40~60付近で推移:モメンタムの中立化(過熱/売られ過ぎが出にくい)。

2-2. 構造ベースの判定

  • 高値・安値の更新が止まり、水平レンジ(箱)が3回以上尊重されている。
  • レンジ中央にSMA20/EMA20やVWAPが走り、価格が頻繁に回帰する。

レンジは「端で売買、中央で逃がす(部分利確)」が基本。中央付近の新規は見送り。

3. 通貨ペアと時間帯の選び方

低ボラ・レンジでのスキャルはスプレッドの狭さが勝率・RRに直結します。一般的には下記が扱いやすいことが多いです(ブローカーや時間で変動)。

通貨ペア特徴向く時間帯の例
USD/JPYスプレッドが狭く、東京時間はレンジ化しやすい東京前場・昼
EUR/USD板厚めで往復回転がしやすい欧州序盤前の過渡時間
AUD/USDアジア時間の値幅がコンパクト早朝~東京

注意:金(XAUUSD)やポンド系はスプレッド拡大や急変が起こりやすく、低ボラ戦略には不向きな場面が多いです。

4. 即使えるレンジ・スキャル手法4選

4-1. ボリンジャー±2σ「戻り」狙い

目的:エッジ(±2σの外側タッチ→内側戻り)で小幅を抜くミーンリバージョン。

  • 条件:BB(20,2)で帯域が縮小中。ローソクが±2σを一度外に飛び出し、次足で内側へ戻す
  • 買い:下側2σ外に一時飛び出し → 次足でバンド内へ復帰確定で成行/指値。
  • 売り:上側2σで同様。
  • フィルター:RSIが40~60に回帰、かつ直近高安の明確な水平レンジ内
  • 利確:センターライン(MA20) or 固定+5~10pips(ペアと時間軸で調整)。
  • 損切:直近ヒゲ外+0.3~0.5×ATR。

4-2. ピボット×RSIレンジ・フェード

  • 条件:デイリーピボットのR1/S1付近で価格が減速。RSIが再び50へ回帰。
  • 買い:S1付近で反発サイン(小陽包み/下ヒゲ)。
  • 売り:R1付近で反転サイン(小陰包み/上ヒゲ)。
  • 利確:ピボット(P)~センターMA。
  • 損切:S1/R1の外+0.5×ATR。

4-3. VWAPバンド逆張り

セッションVWAPに対して±1~2σの偏差バンドを表示。低ボラ時はVWAPの均衡回帰が期待しやすい。

  • 条件:バンド幅が縮小、かつ価格がバンド端で滞留。
  • シグナル:端でのダマシ抜け→直後の内戻り。
  • 利確:VWAP、もしくは半分をVWAP・残りは±1σ。
  • 損切:端の外側に0.4~0.6×ATR。

4-4. EMAスナップバック(距離×ATR)

  • 条件:価格がEMA20から0.8~1.2×ATR離れ、プライスアクションが失速。
  • エントリー:失速足の高安抜けで逆張り。
  • 利確:EMA20タッチ or 固定+5~8pips。
  • 損切:シグナル足の外メモリー+0.3×ATR。

やり過ぎ注意:同じボックスの中で連続3回以上負け始めたら、相場の質が変わったサイン。その日は撤退も選択肢。

5. 共通のエントリー/利確/損切ルール(テンプレ)

エントリー

  1. レンジ確認:高安の水平帯(上限/下限)を明確化。少なくとも3回の尊重。
  2. 端のみで参加:中央帯(MA/VWAP付近)は新規禁止
  3. 反転の裏付け:ヒゲ・小包み・インサイド/アウトサイド、RSI回帰、出来高(ティック)減速など。

利確

  • 第一目標:中央線(MA/VWAP) or 固定+5~10pips。
  • 第二目標:反対側のエッジ。ただし半分は中央で利確してリスクを軽く。
  • 建値ストップへの繰上げ:第一目標到達で建値~+1pipsへ。

損切

  • 直近スイング外+0.3~0.6×ATR
  • 最大保有時間:15~45分(時間リスクもコスト)。
  • ニュース前後は新規停止(後述)。

6. 資金管理とリスクコントロール

  • 1トレードの損失許容:口座残高の0.3~0.8%目安。
  • デイリーDDリミット:残高の2~3%その日は終了
  • ロット計算ロット =(口座×許容%)/ 損切pips(手数料・スプレッド考慮)。
  • 連敗ストッパー3連敗で休憩、5連敗日次終了
  • トレード回数:1セッション3~6回に抑制(過剰売買回避)。

低ボラでのスキャルは「薄利多売」になりがち。平均損失 ≤ 平均利益を保ち、命中率55~65%を現実的な目標に。

7. 実行のコツ(板/スプレッド/ニュース)

  • スプレッド監視:指標・セッション切替で急拡大しやすい。拡大時は新規停止。
  • 注文タイプ:端での逆張りは指値優先、抜け後の戻りは成行で素早く。
  • ニュース回避:発表15~30分前後は新規停止。低ボラが一瞬で崩れます。
  • 滑り:ボックス外のストップはリクイディティ薄で滑りやすい→深追いせず再構築を待つ

8. トレード前チェックリスト

  • ATR(14)が過去20~30日平均の70%以下?
  • 明確なレンジ上限/下限が引ける?(少なくとも3回尊重)
  • スプレッドは通常範囲?手数料を含めて期待RRがプラス?
  • 重要指標や要人発言の予定はない?
  • 「連敗ストッパー」「日次DDリミット」を設定済み?

9. 検証と改善の進め方

  1. 紙ルール化:インジ設定・時間帯・入退出・損切・利確を1枚に。
  2. リプレイ/スクショ検証:過去3か月、M1~M5で50~100トレード分。
  3. 前向きテスト:小ロットで2~4週間。約定コストの実測も記録。

改良は1回に1要素。同時に複数を変えると、効果の因果が不明確になります。

10. よくある質問

Q. どの時間足が良い? A. エントリーはM1~M5、レンジ認識はM5~M15のマルチタイムが扱いやすいです。 Q. 何回までやる? A. 1セッション3~6回。同じボックスで連敗したら日を改めるのが得策。 Q. ブレイクし始めたら? A. 直近の「負けやすい形」を覚えておき、一度の強い抜け+戻りが浅い時は逆張り停止へ切替。

11. 免責とポリシー配慮

本記事は教育目的であり、特定銘柄・手法の利益を保証するものではありません。トレードは自己責任で行ってください。誤解を招く表現や過度な煽りを避け、リスクと限界を明示することを推奨します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました