FXや株式投資で勝ち続けるためには、トレンドの流れを読むだけでなく、「今の相場がいつ転換するのか」を予測する力が欠かせません。その有効な方法のひとつがダイバージェンスです。価格とオシレーターの動きが逆行する現象を捉えることで、天井や底を察知しやすくなります。
本記事では、ダイバージェンスの基礎から応用まで、初心者にもわかりやすく解説し、実践に役立つ活用ポイントをご紹介します。
ダイバージェンスとは?
ダイバージェンス(Divergence)とは、価格の動きとオシレーター系指標(RSI、MACD、ストキャスティクスなど)の動きが一致せず逆方向に進む状態を指します。これは相場の勢いが弱まっているサインとされ、トレンドの反転や調整局面を予兆することがあります。
例えば、価格が高値を更新しているにもかかわらず、RSIが前回の高値を超えない場合は「上昇の勢いが低下している」と判断できます。
ダイバージェンスの種類
1. レギュラーダイバージェンス(通常型)
トレンドの反転を示唆します。
- 上昇トレンド中:価格が高値更新、オシレーターは高値切り下げ → 下落転換の可能性
- 下降トレンド中:価格が安値更新、オシレーターは安値切り上げ → 上昇転換の可能性
2. ヒドゥンダイバージェンス(隠れ型)
トレンド継続の可能性を示します。押し目買いや戻り売りのタイミング把握に有効です。
- 上昇トレンド中:価格が安値切り上げ、オシレーターは安値更新 → 上昇継続の可能性
- 下降トレンド中:価格が高値切り下げ、オシレーターは高値更新 → 下降継続の可能性
よく使われるオシレーター指標
- RSI(相対力指数):0〜100で過熱感を示し、70以上で買われ過ぎ、30以下で売られ過ぎを判断
- MACD:2本の移動平均の差を利用し、トレンドの方向と勢いを表示
- ストキャスティクス:一定期間の高値・安値から現在の価格位置を示す短期オシレーター
これらの指標はMT4やMT5に標準搭載されており、特別なインジケーターを追加せずとも利用可能です。
ダイバージェンスの見つけ方
- チャートにオシレーターを表示する(例:RSI 14期間)
- 価格の高値・安値とオシレーターの高値・安値を比較する
- 価格とオシレーターが逆行していればダイバージェンスの可能性
より信頼度を高めるには、4時間足や日足など上位足で確認するのがおすすめです。
活用の実践ポイント
- 単独での判断は避け、移動平均線やサポート・レジスタンスラインと併用する
- ダイバージェンス発生後にローソク足の反転パターン(ピンバーや包み足)が出たらシグナル強化
- 強いトレンド中はダマシが多いため、複数の時間足で確認する
エントリー戦略の例
例1:天井圏での売り
日足で上昇トレンドが続いていたが、RSIが高値切り下げのダイバージェンスを形成。4時間足でトレンドライン割れを確認後、売りエントリー。
例2:底値圏での買い
価格が安値更新する一方、MACDが安値切り上げのダイバージェンスを形成。1時間足で陽線の包み足出現を確認後、買いエントリー。
注意点
ダイバージェンスは万能ではなく、発生後すぐに転換するとは限りません。特に強いトレンド中は逆行現象が複数回現れることもあります。必ず損切りラインを設定し、資金管理を徹底しましょう。
まとめ
ダイバージェンスは相場の勢いの変化を見極める強力な分析方法です。
・転換点を捉える「レギュラー」
・トレンド継続を示す「ヒドゥン」
これらを理解し、他のテクニカル分析と組み合わせることで、より精度の高いトレードが可能になります。
焦らず、複数の根拠を積み重ねて判断することが、長期的な勝率向上につながります。
コメント