トレンドフォローは「上がっているものは上がりやすく、下がっているものは下がりやすい」という市場の性質を活かす手法です。本記事では、基礎から実装手順、応用、よくある失敗までを中級者向けに整理します。投資判断はご自身の責任で行い、過度なレバレッジや根拠のない期待は避けましょう。
トレンドフォローの前提と考え方
- 前提1:価格にはトレンド(方向性)とレンジ(もみ合い)がある。
- 前提2:トレンドは継続しやすいが、永遠ではない(転換に備える)。
- 前提3:「方向」と「エントリーのタイミング」と「撤退基準」は別物。
※広告ポリシー配慮:本記事は教育目的の一般的な情報であり、利益の保証や誤解を招く表現は行いません。
時間足の役割分担
複数時間足で「環境認識 → タイミング → 管理」を分担すると、一貫性のあるトレード計画を立てやすくなります。
環境認識(例:日足/4時間足)
- 高値/安値の切り上げ・切り下げ
- 200EMAの上/下での推移
- 直近のサポレジ帯・ボラティリティ
エントリー判断(例:1時間足)
- 押し目・戻り目での反発
- 20EMA/ミドルバンド付近のパターン
- 直近高安ブレイクの確認
執行・管理(例:15分足)
- 具体的な指値・逆指値の配置
- 損切りの移動(BE/トレーリング)
- 部分利確の実行タイミング
代表的なインジケーターの使い分け
- 移動平均線(200EMA/20EMA): 長期の流れ(200)、短期の勢い(20)を可視化。
- ADX: トレンドの強さを補助確認(目安25以上)。
- ボリンジャーバンド: 押し目/戻り目の深さや拡散・収縮の把握。
- 出来高/セッション帯: 重要時間帯や流動性の偏りを意識。
基礎セットアップ(再現しやすいルール例)
- 環境認識:4時間足が200EMAの上で推移し、高値・安値の切り上げが続いている。
- 待機条件:1時間足で20EMAまで押して、陽線包み足などの反発サイン。
- エントリー(買い):反発足の高値上抜けで成行/指値。
売りは全て逆の条件で対応。 - 初期SL:直近スイング安値の少し外(またはATR×1.5〜2.0)。
- 利確:①直近高値で一部利確、②残りはトレーリング(20EMA割れ/直近安値割れで決済)。
- 無効化条件:押し目が深く200EMA付近まで来たらシナリオ見直し。
迷ったら「上位足のトレンド方向に、下位足の押し目を待って、ブレイクで乗る」を徹底。
応用テクニック
① フィルター強化
- ADXが25未満の時は見送り(トレンド弱し)。
- 重要指標の前後はポジション縮小または回避。
- 上位足レジスタンス直前の追いかけエントリー禁止。
② エントリー分割
- 押し目の浅/深で2回に分けて建てる。
- 平均建値をコントロールし、過度なナンピンはしない。
③ 利確設計の二段構え
- 固定RRの一部利確(例:RR=1.5で50%)
- 残りをトレンド追随(移動平均・直近安値/高値・ATR追跡)
資金管理とリスク許容
- 1トレードの想定損失は口座残高の0.5〜1.5%目安。
- 連敗時はロットを段階的に下げ、週次で元に戻す。
- 同一相関通貨へのポジション集中は回避(総リスクを合算管理)。
損失回避のための「ノーエントリー」判断も戦略の一部です。
よくある失敗と対策
- 押し目待てずに高値掴み:エントリーは20EMA/ミドル帯に限定。
- SLを狭くしすぎ:直近スイング/ATR基準を厳守。
- 逆張り化:上位足の方向に逆らう理由がない限り順張り徹底。
- ニュース無視:重要指標・要人発言前後はボラ急拡大に注意。
チェックリスト(エントリー前の最終確認)
- 上位足:200EMAの上下関係は明確か?高安の更新は?
- 中位足:20EMA付近での反発根拠は十分か?
- 下位足:ブレイク確認は済んだか?ダマシ回避のための再テストは?
- リスク:RR≥1.5は確保できるか?イベント前後ではないか?
- 計画:初期SL・部分利確・最終手仕舞いの条件を明文化したか?
ミニFAQ
レンジでもトレンドフォローは有効?
レンジではダマシが増えやすく不利です。ADX低下やバンド収縮時は見送りや逆張り戦略との切り替えを検討。 どの時間足の組み合わせが最適?
「4H→1H→15M」や「日足→4H→1H」など、1段ずつ縮めるのが管理しやすいです。 利確は固定とトレールどっちが良い?
ハーフ&ハーフがバランス良好。前半固定、後半はトレンドの伸びを狙います。
まとめ
- 方向(上位足)とタイミング(中位足)と執行(下位足)を分離して考える。
- 押し目・戻り目+ブレイクの一貫パターンで再現性を高める。
- 資金管理とニュース管理で「負けにくさ」を底上げ。
ルールは「書いて、守って、検証」して初めて戦略になります。小さく始め、データで調整しましょう。
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の収益を保証するものではありません。金融商品取引は元本割れの可能性があります。
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